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2003年01月06日(月) 麻酔・蘇生科一日目 ■麻酔科です。手術の麻酔は勿論、ペインクリニック(癌疼痛とかの痛みを取る医療)やらもやっております。特殊っちゃー特殊な学問ですな。術衣に着替えて、7時半から術場控え室で朝カンファ。ウチの大学の手術は大概8時過ぎ搬入の9時スタートなので、それよりも更に前から準備をしているのですね。低血圧には務まらない仕事ですか。カワヅさん高血圧。カンファもその日の手術に関する事の確認だけ。麻酔科ポリクリの特権(?)は術衣の上から白衣を羽織って病院内をウロウロ出来る事です。と言う訳で、その格好で医局・教授室でカンムラ教授からオリエンテーション&麻酔学概論。途中で医局でコーヒーブレイク。こっそり御菓子をくすねる。午前中はそんだけ。午後は術場で実際の麻酔を見学。ま、見慣れた光景ですけど、麻酔科以外回ってるときは全然気にした事ありませんから。なかなか新鮮。産婦人科に続き、帝王切開を見学する。つーか、ヒト多いな…産科に小児科も居るし…babyも無事産まれました。それにしても硬膜外麻酔で帝切ってどんな感じなんやろか? 局麻って微妙に感覚があったりするしねえ…こればっかりは男は体験できないのですね。その後、笑気(ガス麻酔の一種です。一番軽い奴)を実際に吸ってみよう実習。最初はカワヅさん。手術台に寝てマスクつけた所でデジカメ片手にカンムラ教授登場。「写真撮るよ〜」って、何故。学生の写真撮って顔覚えようとする教授って多いですな…つーか、カワヅさん顔写ってませんがよ。「キミの顔はもう憶えてるから大丈夫。ポリクリ終わったらMOに入れてあげるから、卒業アルバムにでも載せなさい」 止めてくれぇ。それはそうとカワヅさん、案の定、麻酔の効きが悪い。何とか頭がぼーっとし始めても普通に受け答えしてたので、先生が「効いてないねえ。普通、学生さんには使わないんだけど…」とか言ってイソフルラン導入。物凄く強い酒、もしくはベンジン・シンナーみたいな刺激臭がして、一気に身体が痺れて大酔っ払い状態に。「うわ〜気持ちイイ〜!! でもこのままじゃ寝そう…」とか思ってた所で麻酔中断。しばらく酸素吸ってると酔いも残らず、綺麗に素面に。これはスゴイ。笑気中毒になる歯科医やシンナーで遊んでしまう少年少女の気持ちがわからんでもない(笑)。ちなみに体格のイイヒトや酒に強いヒトは麻酔がかかり難いそうです。と言うわけで、ウチの班の連中は…バタコは笑気吸ってる途中で危険を感じた(?)のか暴れ気味にマスク外そうとして先生に「はい落ち着いてぇ。手術台から落ちるよぉ」とか窘められてました。ルシコは何故か麻酔かかる前から笑いっぱなしで、最後には冷や汗かいて笑いながらギブアップしてました。先生は「寝ちゃう学生はいるけど、汗かいた学生は初めてだなあ」とか言ってたのに、カミジョンはウチらが先生とダイエット談義をしてる間に見事に無反応のまま寝てしまい、更に冷や汗。面白がってカワヅさんが足の裏くすぐったりしても勿論反応無し。カワムラさんはすぐに気持ちが悪くなり、胸が締め付けられたらしく早々にギブアップ。大丈夫ですか?心疾患では? どうも性格が現れるようですな、笑気吸うと。最後は術前カンファ、つーか、担当のDrと教授がタイマンでやりとりするのを聞くだけ。変なの。 |
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2003年01月07日(火) 麻酔・蘇生科二日目 ■今日も7時半から朝カンファ。そのまま術場で麻酔の導入の見学。おおう、退屈だぁ。動脈血検査について行ったりしながら、何事もなく終了。モニタリングのレクチャー。午後も術場で麻酔導入の見学。麻酔グッズや薬品の説明を受けたり。術場は急患の嵐で慌ただしい。網膜剥離、腸閉塞、卵巣腫瘍茎捻転に大動脈瘤破裂と年始早々ヘヴィー。またレクチャー。急患の嵐の為、術前カンファは中止。オシマイ。 |
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2003年01月08日(水) 麻酔・蘇生科三日目 ■7時半術場控え室で朝カンファ。いつも通りです。術場見学。今日はマスク換気をちょこっとさせてもらう。麻酔かけて、筋弛緩剤投与すると、当たり前だけど筋弛緩しますわな。当然自発呼吸も出来なくなるので、マスクつけて、バッグから空気&酸素送って人工呼吸するのです。気道確保が中々難しい。しっかり下顎を持ち上げないと、肺に酸素を供給できまへん。素人カワヅさんがやっても全然肺は膨らまず。「はい、そのままやってたら患者死んじゃうよ〜」とか言われて先生と交代。指導されてリトライ。おおぅ、出来ましたぜ。麻酔の基本知識の講義。如何に酸素を供給するか、云々。午後はBLS(Basic Life Support)実習。自動車学校でもやりましたね。あの人形相手にせっせと人工呼吸&心マの練習。 人工呼吸(mouth to mouth)は上手く出来るんよね。伊達に口デカクないから。心マが難しい。力が入りすぎる模様。ま、弱過ぎるよりはイイだろうから…続いて除細動器の使い方講座。あれですわ。ドラマとかでありますやん。心臓に電極みたいな奴当てて、ドカンッ!って患者の身体が電気流したら飛びあがるみたいな。電気ショックとか呼ばれてますか。使い方も全然難しくないので、素人でも使える。但し、心室細動以外のヒトにやっちゃうと逆に心室細動起こしてしまうらしいので。余裕でヒト殺せます。と言うわけで、最近は心室細動かどうか診断した上で電気流すモノもあるそうで…便利な世の中だ。ちょっと前に運動してて急死した高円宮も心室細動だったそうで、あれ以来、除細動器をもっと普及させようと言う動きもあるそうです。どうなりますやら。術前カンファ。非常に和気藹々。
人形はこんな感じで収納されてます。バラバラ死体ですかね。で、逞しく心マを行うルシコ。恐ろしく正確です。カワヅさんのステキなmouth to mouth。血管浮かんでます。 |
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2003年01月09日(木) 麻酔・蘇生科四日目 ■朝カンファ。つーか、カワヅさん謎の腹痛に襲われて、カンファ終了と同時に三講に逃げこんでバタンキュー。で、起きるとボチボチ回復してるので、外来へ。ペインクリニックです。神経因性の痛みとか、手術よりも侵襲が少ないですし、手術しても痛みが取れない症例とかには麻酔学をもって痛みを取る訳です。という訳でその説明&外来見学。患者さんもそんなに多い訳ではないのですが…午後もペインクリニック講義。 |
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2003年01月10日(金) 麻酔・蘇生科五日目 ■朝カンファ。術場で麻酔見学。点滴とって、A(動脈)ラインとって、硬膜外麻酔して、気管内挿管して、中心静脈とって。見てただけですけどね。硬膜外麻酔の時の抵抗消失法を体験。黄色靱帯に穿刺の先が当たって、注射器が進まないんだけど、黄色靱帯突き抜けて硬膜外腔に入ると、抵抗が無くなって注射器が進むんですね。当たり前だが。マスク換気はやっぱり難しい。下顎の持ち上げ方が全然わかんない。将来半年回るときにマスターします。ホントは研修医の間がベストだけど…医局に集合がかかったので、てっきりレクチャーかと思ったら、休憩。御菓子食べて、コーヒー飲んで、バカでかいデジタルハイビジョンテレビで「はなまるマーケット」を見る。検査室で検査機器の説明。使い方はそんなに難しくないが…壊したらえらい事ですな。カンファ室で人形使って気管内挿管の練習。あれですな。救急救命士にさせるかどうかで揉めてた奴。結局させる方向で話はすすんだらしいですが。ま、人形相手だからどーってことないです。面白いように挿管できます。午後は脊椎麻酔&硬膜外麻酔のレクチャー。硬膜外麻酔を人形使って練習。ヒトの腰の模型です。上手く穿刺出来ると水が出て来ます。模型なので脊髄液ではありません。続いて、来週担当するオペを決める。脳腫瘍(8時間)、膵頭十二指腸切除(7時間)、幽門部胃切(6時間)、腹腔鏡下腎摘(4時間)、子宮単摘(3時間)。の中から選びます…炎のアミダクジ大会。腎摘になりました。ウロウロ。続いて、教授室。教授にレポートのテーマを言って、資料を貰う。カワヅさんは「癌性疼痛」です。最近、癌好きだなぁ…貰った資料はWHOの「がんの痛みからの解放」、ペインクルニックの観点から「ペインクリニシャンが関わる緩和医療」、患者の観点から「医療はよみがえるか」、小泉今日子主演の「病は気から・病院へ行こう2」のビデオ。で、腎摘の担当の麻酔Drとウロ病棟へ。久々です。ナースステーションすら男臭い。何故か皮膚科(ウロとデルマは病棟が一緒)のキンゾー助教授が…更に暑苦しいぞ。結局、患者さんは検査中で不在。カルテも下りてるし… 「じゃあ、患者さんにはワタシから言っとくから〜」って先生が仰せられて、本日終了。土曜出勤覚悟してたのに…アリガトウゴザイマス。でも明日カルテ見に行きます…
コチラが硬膜外麻酔の練習人形。真っ直ぐ入れないといけないので結構難しい。でもって、暇そうに脊椎の模型を玩ぶカミジョン。何処に刺すか判ってますか〜? 挿管中。歯を折らないように。この人形も良く出来てて、歯に余計な力がかかると「パキッ」って音がします。怖いです。挿管できたらアンビューバッグ繋げて換気しましょう。 |
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2003年01月14日(火) 麻酔・蘇生科六日目 ■朝カンファ。教授に「カワヅ君、これ教授室に忘れてたよ」ってメモ帳とボールペンを渡される。あ〜探してたんですよ〜アリガトウゴザイマス。さて、今日は担当の患者さんのオペ日。4時間予定の腹腔鏡下腎摘出術です。8時搬入。さて、麻酔導入。いつものようにマスク換気をさせてもらうが、教授に「中指と薬指に力が入りすぎ! 小指だけ使えばいいんだ!」って、指導される。カワヅさん馬鹿力で無理に気道を確保しようとするので、中指と薬指で逆に気道を潰しちゃうんです。なるへそ。判った気がします…って先生これってバッグにエア入って来ませんぜ…ま、そんなこんなで教授の質問攻撃をのらりくらりとかわしつつ、9時手術開始。退屈だオイ。腹腔鏡下なのでモニター見てればいいんだけど。バタコも帰ってしまい、話相手もおらず。ぼんやりとモニター見ながら、術場に落ちてた「陰茎腫瘍の摘出法」とか言う雑誌の記事のコピーを読んでみたり。お、これナカガワ教授とカワハラ助教授が書いてるじゃん。スゲーなこりゃ。麻酔用の注射器に貼るテープの内、「ドーパミン」って奴を勝手に貰ってメモ帳に貼る。スゴイ、名前の上に「ドーパミン」 謎だ。と、先生から「末血と血ガス測ってきて〜」とか言われる。待ってました! 動脈血の入った注射器を両手に挟んで転がしながら(凝固しないように)、検査室へ。ま、全然難しくないのであっという間に終了。ツマラン。手術室に帰ると、どうも開腹してる模様。出血がひどいみたいです。先生に「ワタシは御昼食べに行くから、テキトーに休憩して御飯食べておいで」とか言われる。さっさと病院の売店へ行っておにぎりを買う。部室でかき込んで、また術場。休憩15分(この間に腎摘があった模様)。その後もずっと立ちっぱなしで、ボンヤリと虚ろな目で術野を見てたり、様子見にやって来たドクターテラシにからかわれたり、医局長と雑談したり。ナカガワ教授退室〜挨拶しましょう。「麻酔科かい?」 他にどこがありますかね… と、30分ぐらいして戻って来てまた手洗い。御忙しいようで…で、結局15時過ぎに手術終了。麻酔醒めて、引継ぎが終わったのが16時。8時から8時間立ちっぱなしでしたか。ま、15分も休みもらったけど…ははは〜 ヤマサキさんに「お前ずっとおったろ〜スゲーな」って褒められました、エヘ。 ■医局長がこれまた体育会系臭いヒトで「君はガッツがありそうやね。医者は体力だけあればいいからね、イイ医者になるよ〜」とかわけわからんこと言ってました。でも足のサイズは24.5cmだそうです。結構背高いのに。で、帰り際カワヅさんのおなかにパンチして行きました。眼科のサカモト教授にもよく腹パンチされたな〜流行ってるのか? |
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2003年01月15日(水) 麻酔・蘇生科七日目 ■朝カンファ。今日は二外科の膵頭十二指腸切除術の麻酔導入を見学。ま、いつもの様にボッケーと見てただけですが。暇なので、CTやらMRIやら、ERCPやら見てみる。あんまりわからんな… 丁度、二外の担当医なカナザワさん(ビー部の先輩)が近寄ってきて、「わかるか〜?」とか仰せられて、教えてもらう。なるへそ読めましたぜ。10時ぐらいに抜け出して、三講でレポート書こうと七転八倒。全く書けず。午後は女児の麻酔導入見学。子供の麻酔を見るのは…ウロで市立病院に行った時にチラッと見ただけですが…バニラエッセンスだけじゃなくて、メロンとストロベリーの匂いの香料が置いてありました。いたいけな子供を騙して、麻酔をかけるわけですね。「は〜い、メロンの匂いだよ〜」とか言いながら。で、マスク換気挑戦。小児の換気は「小さく、多く」だそうです。気道確保はそんなに難しくないけど、マスクを当てる手の力の加減が難しい。しっかりマスクの跡をつけてしまい、先生に「デビルマンみたいになったな〜訴えられるぞ」とか冗談で脅される。いや、すぐにとれるんですけどね。終わって、やっぱりレポート…書けない。才能が涸渇した。 ■ホント普通にしてても力が入っちゃうので、子供の扱いは慎重です。ガラスを扱うように。優しく優しく。 |
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2003年01月16日(木) 麻酔・蘇生科八日目 ■カミジョンと二人、医師会病院で実習です。先ずはICUから。医師会病院のICUは術場のすぐ隣にあります。二外での楽しい三日間が蘇りますな…臨床教授先生に「何かしたいことある?」とか言われるも、何が出来るかも判らず。「無いです」と返事するだけ。一応、担当患者さんを割り当て。肺気腫と肺炎を合併して呼吸管理中の患者さんにつきます。担当医が準硬OB一年目のトヨカワさんで、開口一番「昨日呑んでた?」 いや、流石に呑んでないですけど…「いやぁ、マツオさんが呑んでたらしいんだけどね〜」 何でそんな情報がここまで…で、患者さんの状態の説明やら、X-pの所見とか教えてもらって「じゃ、テキトーにブラブラしててよ」 何ですと?外病院で放置は辛いなぁ。でもICUに居ても邪魔になるし、すること無いので術場へ。医師会のお家芸(?)ラパコレ。麻酔導入見学。挿管時に誤って歯を折ってしまってました。流石に先生は落ち込んでたけどオーベンが一言「いつまでも気にしてたってしょうがないやろ。覆水盆に返らず!」 確かに起こってしまったミスには誠心誠意謝罪する必要がありますが、問題はそのミスを繰り返さないことと、そのミスから始まる連鎖的なミスをなくすことです。手術は始まったばかりですから。で、全身麻酔後、患者さんがつけっぱなしにしてた指輪を外そうと麻酔医三人がかりで悪戦苦闘。でも、患者さんが体格のイイ女性で全然取れず。トヨカワさんが「いい方法知らない?」とか言うので、どこかで聞いた事がある「糸通して、螺旋状に巻き付け作戦」を提案してみる。で、見事、外れる。先生からは御褒美で「もう帰ってイイよ〜」とのお言葉。いや、帰れんのですけどね。で、丁度サタの班が二外の医師会実習なので、駄弁る。サタぴょんは何故かスリッパ両方とも左でした。で、その後はICUと術場を行ったり来たり。午後はひたすら呼吸管理の講義。眠い。15時には面会時間らしく、面会者がわっと入ってくる。挿管ってばシンドイので患者は麻酔かけられてるんだけど、どうなんでしょうね? 家族が管突っ込まれて、寝てる姿ってのは。それは治療としては適切なのかもしれませんが。早く回復して抜管出来るといいですね…17時終了。 |
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2003年01月17日(金) 麻酔・蘇生科九日目 ■朝カンファ。最終日の今日は好きなオペの導入を見てよいとの事で、迷わず心臓外科の麻酔導入。ま、大きく違うのはSwan-Ganzカテーテル入れる所ですかね。経食道エコーもやっと見る事が出来ました。教授室で総括。結局レポートのテーマは「緩和医療におけるペインクリニシャンの役割について」 緩和医療について書かれた本とか高校の時にバカみたいに読んだけど、今読むとまた全然受け止め方が全然違うんで。多分、就職して現場で働くようになって読むと更に違ってくるんでしょうね。憧れや幻想は打ち砕かれて、現実の中から価値を見出していくのです。今の所、緩和医療にはあんまり興味が無いのも事実だけど。 |